MOJIKO - OSAKA 2024

MOJIKO - OSAKA 2024

4 days , 618km

with S-WORKS ROUBAIX SL8

Day1
MOJIKO - IWAKUNI
184km

関門トンネル・人道へ降りる。

関門トンネル県境。トンネル内は湿度が凄い。真夏のため、スタートしたばかりにも関わらず既にジャージは汗でびっしょり。

7月、テレビでは「命を守る行動を」と促すほどの酷暑。山口県周南市手前の坂道を淡々と登る。

あまりの暑さにこの日は1台もロードバイク乗りを見かけなかった。この日は広島市内まで入るのが目的であったが、岩国に住む友人に会うため、山口県岩国市が最終目的地となりそうだ。

R2ではなく、R188を岩国に向かって走る。右手はずっと海が続いてよい景色だが、人里から離れた場所を走る距離も長く、補給場所に困った。

184km , 823m up , Ave 23.8km


DAY 2
IWAKUNI - ONOMICHI
149km

広島・呉市。直前に大雨。真夏の雨は覚悟さえ決めればミズスマシになった気分で快感。

竹原市に入る手前の坂道。境を超える際に峠道が多い。酷暑の中のヒルクライムは堪える。一喜一憂せず、無理せず、淡々と。ゴールはまだ果てしなく遠い。漕いでさえいれば、いずれ辿り着く。

ロングライド中は、ルート上にないスポットに立ち寄ることは少ない。スタート地点からゴール地点まで走り切ることが最大の目的である。また、1日最大200km程度走ろうと思うと時間的余裕もない。ただ、走るのに飽きたときは少々のルート逸脱を行うこともある。ただし、地理感のある場合に限る。竹原市の歴史的街並みの保存地区。しばしスナップ撮影を楽しむ。

閑話休題。バイクパッキングについて。
夏場のロングライドではジャージは上下1組のみ。毎日ホテルで洗濯、朝方には乾くので1組で十分。自転車を降りた際の服に短パン・Tシャツ・下着を1組。それに小さく折り畳める草履を1つ。基本的に服の類はサドルバッグに入れる。サドルバッグにはライド中あまり必要のないものを入れる。服以外であれば輪行袋など。フレームバッグにはカッパ・補給食・モバイルバッテリー等。トップチューブバッグには携帯電話・財布・タバコなど。このスタイルでおおよそ3-4泊のライドはこなせる。基本的に防水仕様のため、バケツをひっくり返したような土砂降りでも問題はない。ツールボトルをダウンチューブ下のケージにおさめているが、内容物はチューブレス修理キット、電動インフレーター・ミニ工具・タイヤシーラント・バルブコアツールが入っている。夜間はホテルで休むことが前提なため、予備のヘッドライトは1本念の為持っているが、基本的にバイクに取り付けたライト1本で間に合う。

うだるような暑さの中、根負けして目的地を尾道に変更。結果的に目標よりも50kmもショート。体力的にはまだまだ走ることはできても時間が押すと睡眠時間の確保が問題となる。その日その日の目標よりも、全行程を無事に走り切ること。スパッと諦める割り切りも大事。

149km , 649m up , Ave22.9km


Day3
ONOMICHI - HIMEJI
168km

尾道の海沿いに古い倉庫。それを改造してテナントが入り、中にホテルが入る。今回そちらに宿を取った。サイクリスト向けのホテルで、部屋の壁にサイクルラックが備わる。しまなみ海道を走るサイクリストに人気なのだろうと想像する。なお、ジャイアントがテナントで入っている。本来であれば最終日、岡山市内からスタートしたいところだが致し方なし。

尾道市街地を過ぎると即座に出てくる尾道大橋。山口県の下松市より以西、兵庫の相生あたりまで、瀬戸内の美しい海沿いの景色が多々出てくる。小学生の頃まで山口で暮らしたため、私にとっては瀬戸内は故郷みたいなものだ。凪いだ海、穏やかな気候、歳を重ねてさらによく見えるようになった。

倉敷駅前。車で来ることはあっても、自転車で自分の足で来たことはない。不思議なもので、漕いでさえいれば辿り着くもの。

まったく爽やかではない気温。県境はどうしてこう坂道なのか。兵庫県に入る。

日が傾いてくると時計を頻繁に見てしまう。あと何キロ走れるか、今日の宿をどうするか、体力と相談しながら20km程度走りながら考える感覚だろうか。そして信号待ちのたびに現在地を見て、宿を探し始める。

門司から何度こんな景色を見てきただろうか。夏場にも関わらず自分の長く伸びた影を見ると、焦り始める。少しでも前に進みたい。

姫路で宿を取る。深夜にはなってしまうが、大阪まで走りきれないわけではなかった。夜間走行をできる限り避けたいのと、深夜に宿にチェックインして睡眠時間もロクに取れないのも悩ましい。また大阪にたどり着いたらそのまま新幹線に乗って輪行で帰りたい。つまり、走ること以外にあまり余計なことを考えたくないのだ。このあたり、ロングライドをする人たちにとって「あるある」な話だろうと思う。駅前の飲み屋で大ジョッキを飲み干し、早々に就寝。

168km , 728m up , Ave22.9km


Day 4
himeji - osaka - tokyo - saitama
112km

明石海峡大橋が見えてくる。関西での生活が長かったため、明石大橋が視界に飛び込んでくると「帰ってきた」と感じてしまう。このあたりから大阪市内までおおよそ60km程度だろうか。

明石海峡大橋を過ぎると、しばらく右手に瀬戸内海を眺める海沿いの景色が続く。関東における湘南と似た景色。暗く、細い峠道を1人で走ることを思えば、こんな道は流石にテンションが上がる。

神戸に入る。このあたりから如実にゴールを感じ、平均時速が上がっていく。ゲンキンなものだ。

福岡ー山口ー広島ー岡山ー兵庫とわたって、ようやく大阪府に入る。長かったような、短かったような。ともかく暑かった。しかし不思議なもので残りの距離が20kmを切ってくると名残惜しくなってくる。終わってしまうのかと。

淀川の対岸は、大阪市・キタ。残り距離はもう数キロ。もはやペダルの足は止まり、フリーのラチェット音が鳴る時間が増える。たった1人のパレードランのような気分。

まもなく到着。

国道1号制覇の際のスタート地点、大阪市道路元標に戻ってきた。長かったし、予定通りには進まなかった。無事にたどり着いたことに安堵。

89km , 238m up , Ave 26km/h

国道1号の際には友人が居た。1人で走るのはそれはそれで楽しい。ひたすらに自分の内に内にへと入り込んでいく、そんな時間だった。