WNBicycle Goods

飛行機輪行専用ケース

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飛行機輪行専用ケース


輪行袋ならぬ、輪行ケース。いわゆる「ハードケース」と呼ばれるもの。バイクが自分の手元を離れて、どのように扱われるかわからないことの不安を払拭してくれる、飛行機輪行に有用なケース。

EVOC road bike bag pro

とにかく大きい。TTバイクのハンドル周りを外さないままケースに入れられる。あのTTバーが突き出た状態で。大きさが想像できるだろう。

一般的な3-4泊用のスーツケースと比較して。預け入れ荷物のサイズとしては、三辺計で僅かにサイズオーバーするのではないか。しかし些細なオーバーサイズは基本的に航空会社は許容してくれるようだ。預け入れカウンターで「国内線でも大丈夫?」と尋ねると、離島便でそもそも小さい機材(プロペラ機)でない限り、問題ないと答えてくれた。ただし、航空会社のHPを見ると、オーバーサイズの場合、事前に連絡してほしい旨の記載があった。それに従うのがベターだろう。

車に積み込んでも、かなりの大きさだ。それもそのはず、前後ホイールを外してフレームも横での搭載なため、分解前のバイクの大きさとさして変わりがない。バイク運搬に重宝するシトロエン・ベルランゴ・ロングは、三列目のシートを撤去すれば、ラゲッジスペースにバイクは立てた状態で斜めに運び入れ、ハンドルを少し切れば載る。しかし、このバイクケースに入れるとセカンドシートまで倒してようやく載る。現実的に1BOX車を持っていないとケースの運用が難しい。もちろん、空港まで公共交通機関で向かうなら問題ないかもしれないが、道中を思い浮かべるとなかなか憂鬱だろう。

この絵を見れば、どのように収納するかが想像つくだろう。フレーム自体は見ての通りアルミレール2本に台座を取り付け、車体側にそもそも付いているアクスルで固定する。スルーアクスル・クイックリリースの両方に対応している。なお、エンド幅は少々は問わないようだ。前後のホイールは添付のホイールバッグに入れ、フレームをケースに入れた後、その左右に収める。なお、シートポストは若干下げ、ペダルは取り外す必要がある。ケースを使用していないときには、天地方向を圧縮できる。それだけでは外部からの衝撃を守れないが、ケースを見ると前後方向に赤い帯らしきものがあるが、この中にパイプを入れる。つまり、車のサイドドアインパクトバーのようなものだ。また、ケース外部には平たいバーを差し込む箇所が何箇所もある。これを入れることで天地方向の形を整え、ケースとしての機能を果たす。よく考えられていて、堅牢さを感じられる。

ケース内に収納した図。私のように身長があるとフレームサイズも大きくなり、輪行袋を購入してもバイクが入らないことがままある。MTBやグラベルバイク用を購入することが多い。TTバイクが入るケースなら心配ないだろうとこのケースを購入したが、フレームサイズがLや55-56以上であれば、ハードケースもこのサイズでないと厳しいのではないだろうか。

ディレーラーはどのように保護するのだろうかと思いながらケースに収納していたが、内部の天地方向に走るベロクロに、フレキシブルになったインパクトバーを貼り付けて、外部からの衝撃がディレーラーに至らぬように「拡幅」する。なるほど、これなら安心だ。輪行時の最も多いトラブルがディレーラーハンガーを曲げてしまうことではないだろうか。私は輪行袋を使用する際にはディレーラーをハンガーから取り外し、ハンガーを養生テープとタオルで保護している。ディレーラーを取り外す際にもワッシャ等のショートパーツがあり、紛失や組付け間違いを起こすことを考えれば出来れば取り外しをしたくない。ディレーラーを下げたままケースに入れられるのはとてもありがたい。

梱包完了。ケースの中にはヘルメットやシューズ、トルクレンチ、その他各種ツール類、着替えまで入れられる。なお、ケース側面に3本の帯が見られるが、ここに平たいプラスチックバーが差し込まれる。板厚は1mm〜1.5mm程度。前後方向にもそれぞれ2本のバーが差し込まれる。こうして外部からの衝撃から守り、かつ、ケースの形を保つ。また、右側の下部にハンドルがあるが、このハンドルに小さなホイールを脱着できる。つまり、横のままキャリー可能。もちろん、ハンドルを持って片方だけのホイールでキャリーも可能だ。高額なケースではあるが、特に海外へ渡航することを考えると必携の品だと思う。

このケースの使い道は、空港から車が確保できて、ホテルを起点・終点とするライドでしか基本的に考えられないだろう。渡航先からケースだけ送り返すような片道ライド(あとは走って帰るパターン)も考えられなくもないが、宅急便とは呼べないサイズで、返送が難しいのではないか。つまり輪行は片道の横断系ロングライドではなく、周回系のロングライドならよいだろう。

余談。チェックインカウンターでこのケースをグランドスタッフが見て「レースでしたか?」と言われた。私の出た腹を見てないのか。そんな出で立ちの「本気ケース」である。