LOTUS ELISE MK1

走りを覚えるのであればこれ以上ない教材となってくれるであろう、ロータス・エリーゼ。コーナリングの際の荷重移動をこれほどわかりやすく伝えてくれる車は無いように思う。
車重の軽いローバーエンジンを搭載したMK1 / MK2初期が望ましい。MK1の一部仕様と、MK2以降はエアコンも搭載され、最低限ではあるが利便性も備わる。MK2の途中からトヨタエンジンが搭載されるようになるが、車重が増すそれらのモデルであれば他の車両を視野に入れたくなってしまう。エリーゼがエリーゼたる所以は700-800kg台の車重であるからこそ。そこがスポイルされてしまうと、決して広くない車内、積載性の低さ、乗り降りのしづらさなど、走りに振るが故の「個性」をそのままデメリットに感じてしまうだろう。MK1/MK2初期のモデルは「そんな小さなこと」を蹴散らし、走ることの爽快さをこの上なく感じさせられ、ドライビングの探求へと誘ってくれる。ブレーキポイントをもっと奥に、コーナリングスピードをもっと上げ、アクセルを少しでも早く開ける。そんな自分なりの研鑽がひたすら楽しくなること請け合いだ。
ペラペラなシートでも適度に休憩を取れば案外長距離も走れてしまう。ミニマムだが二人で一泊二日程度の荷物が載せられるラゲッジもある。そう、意外と普段使いできてしまうのだ。ただしこの乗り降りのしづらさは年齢を重ねると厳しくなってくる。若い人にこそ乗って欲しい。若さがあれば「この1台」と溺愛してしまう魅力に溢れる相棒になってくれるだろう。
年齢を重ねて乗るために、1つ解決策がある。常に幌を外し、晴天以外は乗らない。つまり他の車両を同時に持つ。そして屋根付きガレージを用意する。幌さえなければ乗り降りの問題も解決する。幌は出先で長時間停める際の保険のみに。